【既製杭の施工】2級土木 1次検定 集中講座

2級土木1次検定集中講座

こんにちは!土木作業員のっちです!

今日も2級土木1次検定に向けて勉強していきましょう!

今回勉強するのは【既製杭の施工】についてです。頑張っていきましょう!

1問目

問 題

・既製杭の打込み杭工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

1 杭は打込み途中で一時休止すると、時間の経過とともに地盤が緩み、打込みが容易になる。

2 一群の杭を打つときは、中心部の杭から周辺部の杭へと順に打込む。

3 打込み杭工法は、中堀り杭工法に比べて一般に施工時の騒音・振動が大きい。

4 打込み杭工法は、プレボーリング杭工法に比べて杭の支持力が大きい。

解 説

既製杭の打込み杭工法とは、既製杭の施工の中でも打撃振動を与えることにより杭を打込む工法です。ドロップハンマやディーゼルハンマ、バイブロハンマ等を使用します。

特徴としては、杭の支持力が大きいことが挙げられます。直接地盤に打込んでいくので締固め効果が高く、プレボーリング杭工法等に比べてしっかりした支持力が得られます。

また、打撃による打込みを行うので施工時の騒音振動大きいです。

施工時の注意点としては、杭を打込むときは一気に打込んでしまうことが重要です。打込み開始後に一時休止した場合、時間の経過とともに地盤が締まっていき打込みが困難になっていきます。充分な作業時間が確保ができない場合は打込み開始を翌日に持ち越す等の配慮が必要です。

もう一つ重要なのは、一群の杭を打つ時にどこから打込むかです。最初に中心部から打ち始め、周辺部へ向かって広げていきます。逆に周辺部から中心部へ打込みを行うと中心部の土圧が高くなり、打込みに支障をきたします。

以上のことからこの問題の適当でない記述は、【 1 】ということになります。

2問目

問 題

・既製杭の打撃工法に用いる杭打ち機に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

1 ドロップハンマは、ハンマの重心が低く、杭軸と直角にあたるものでなければならない。

2 ドロップハンマは、ハンマの重量が異なっても落下高さを変えることで、同じ打撃力を得ることができる。

3 油圧ハンマは、ラムの落下高を任意に調整できることから、杭打ち時の騒音を低くすることができる。

4 油圧ハンマは、構造自体の特徴から油煙の飛散が非常に多い。

解 説

この問題は、ドロップハンマ・油圧ハンマ・ディーゼルハンマ等を使用して杭の打込みを行う【既製杭の打撃工法】の問題となります。各工法の特徴は以下の通りです。

ドロップハンマ・・・杭の重量以上の重さの鋼鉄製ハンマをウインチで引き上げ、落下させて杭を打込む。打込む際は杭軸に対して直角にあたるようにする。ハンマの重量と落下高さで打撃の調整が可能。

油圧ハンマ・・・油圧によりラム(おもり)を持上げ、油圧を開放し落下させて杭を打込む。密閉することにより騒音油煙の飛散抑えることができる。

ディーゼルハンマ・・・ディーゼルエンジンの力を利用してラムを引き上げ杭に落とし打込む。打撃力が非常に強いが、騒音・振動・油煙の飛散大きいので周辺環境に注意が必要。

以上に挙げた各特長を踏まえると正答は【 4 】ということになります。

問題の記述の中に「油煙の飛散」と出てきたら、ディーゼルハンマを連想しましょう。

 

3問目

問 題

・既製杭の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

1 プレボーリング杭工法は、孔内の泥土化を防止し孔壁の崩壊を防ぎながら掘削する。

2 中堀り杭工法は、ハンマで打込む最終打撃方式により先端処理を行うことがある。

3 中堀り杭工法は、一般に先端開放の既製杭の内部にスパイラルオーガ等を通して掘削する。

4 プレボーリング杭工法は、ソイルセメント状の掘削孔を築造して杭を沈設する。

   

解 説

プレボーリング杭工法は、掘削ビット(オーガ等)で杭の下穴をあけて根固め液・杭周固定液でソイルセメント状の掘削孔を築造し、既製杭を沈設します。その際、孔内は孔壁の崩壊を防止するために泥土化しながら掘削します。

中堀り杭工法は、中空になった既製杭にスパイラルオーガ等を通して掘削していきながら杭を地中に貫入していきます。先端処理の方法は、打撃によって所定の深さまで打込む最終打撃方式と、セメント噴出撹拌方式コンクリート打設方式があります。

よって適当でない記述は【 1 】となります。

プレボーリング杭工法では、ベントナイト泥水等を利用して掘削孔を泥土化し崩壊を防止します。

4問目

問 題

・既製杭工法の杭打ち機の特徴に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

1 ドロップハンマは、杭の重量以下のハンマを落下させて打込む。

2 ディーゼルハンマは、打撃力が大きく、騒音、振動、油の飛散をともなう。

3 バイブロハンマは、振動と振動機・杭の重量によって、杭を地盤に押し込む。

4 油圧ハンマは、ラムの高さを任意に調整でき、杭打ち時の騒音を小さくできる。

解 説

各杭打ち機械の特徴を以下に示します。

【 1 】のドロップハンマは、ウインチで巻き上げたハンマ(杭の重量以上のもの)を自由落下させて杭を地中に打込む工法。杭の重量以上のハンマであることが望ましい。

【 2 】のディーゼルハンマは、ディーゼルエンジンの動力を利用して杭を打込むハンマです。大きな打撃を与えることができ、硬い地盤にも適します。そのため騒音・振動も大きく、燃料などの油の飛散も発生するため周辺の環境に配慮が必要です。

【 3 】のバイブロハンマは、杭の頭部に取り付けて振動を発しながらハンマの自重と共に杭の重量によって地盤に押し込む杭打ち機です。鋼矢板等の打込み・引き抜きにも利用され、打撃音も少なく杭も曲がりにくいメリットの多い機械です。

【 4 】の油圧ハンマは、ラムと呼ばれるピストンを油圧で持上げ、油圧の開放によって落下させて杭を打込むハンマです。ラムの持上げ高さを調整することによって打撃力の調整をしたり、騒音を抑えることができます。

各杭打ち機について特徴を示しましたが、問題文の記述と異なっているのは、【 1 】のドロップハンマですね。ハンマは杭の重量以上のものを使うのが望ましいです。

ま と め

今回は【既製杭の施工】の問題を解説しました。

やはり大事なのは、【1問目】の杭打ちに関する基礎知識を押える事。次に、様々ある杭打ち機の各特長を覚える事、杭打ちの工法の特徴を覚える事です。

今回の4問をしっかり理解しておきましょう!

今回はここまでです。お疲れ様でした!

また出題頻度の高い項目の問題をまとめておくので次の記事をお楽しみに!

最後までご覧いただきありがとうございました!また別の記事でお会いしましょう!

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