こんにちは土木作業員のっちです!
今回は2級土木1次検定に毎年のように出題される土留め工法の中から、【ボイリング】【ヒービング】について解説していきます!
二つの違いを理解してしっかり得点できるようにしましょう!
ボイリング
【ボイリング】とは、掘削底面から砂や土が混ざった水が噴出してくる破壊現象の一つです。
以下に図を示します。
地下水位の高い砂質土地盤でよく起こり、水圧によって土が押し上げられて発生することがあります。
掘削を進めていくと、土留め背面の水位と掘削面側の水位の差が大きくなっていき、地下水が土留め壁の下を通って掘削面に回り、水が湧き出してきます。掘削底面の破壊が起こるだけでなく、周辺の地盤が沈下したり建築物が倒壊する恐れもあります。
掘削中は周辺地盤の変化に注意して、発生した場合にはすぐ対処できるようにしなければなりません。
ヒービング
次に、【ヒービング】についてみて見てみましょう。
上の図のように、土留め壁の背面の土圧を受けて掘削底面が下から盛り上がってくる現象のことを【ヒービング】といいます。
【ヒービング】という言葉は、英語の 「Heaving」 からきていると思われ、「力を入れて持上げる」「うねる・波立たせる」という意味です。
砂質地盤で水が湧いてくる【ボイリング】とは違い、【ヒービング】は粘性土地盤で掘削底面の土が盛り上がってきます。
【ボイリング】と同様に土留め壁の背面の地盤沈下が発生し、近隣の建造物の傾きや倒壊の恐れまであります。
パイピング
【ボイリング】と【ヒービング】について解説しましたが、もう一つ覚えておきたいのが【パイピング】です。たまに土留め工法の問題に出てくるので抑えておきましょう。
【パイピング】とは【ボイリング】の起こっている時に発生する現象で、砂質地盤の弱い箇所の土粒子が洗い流され、水みちができます。その水みちがパイプ状になって拡大してしまうのが【パイピング】です。
急激に土留めの安定性が失われ、崩壊してしまうので注意が必要です。
実践問題
問題 土留め工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 アンカー式土留め工法は、引張材を用いる工法である。
2 切梁式土留め工法には、中間杭や火打ち梁を用いるものがある。
3 ボイリングとは、砂質地盤で地下水位以下を掘削した時に、砂が吹き上がる現象である。
4 パイピングとは、砂質土の弱いところを通ってヒービングがパイプ状に生じる現象である。
正答は 【 4 】 です。
【パイピング】は【ボイリング】に付随する現象で【ヒービング】のときには起こりません。
1~3 は記述の通りです。
ま と め
今回は、【ボイリング】と【ヒービング】、そして【パイピング】について解説しました。
・砂質地盤で水が沸き上がる現象を【ボイリング】
・水みちが拡大して流れてしまうのが【パイピング】
・粘性土地盤で掘削底面の土が盛り上がってくるのが【ヒービング】
この3つをしっかり覚えておきましょう!
土留め工の問題は、他にも部材の名称や役割を問う問題もあります。どちらが出ても対応できるようにしておきましょうね!
今後も土木施工管理技士試験対策の記事を投稿していきますのでよろしくお願いいたします。
ではまた別の記事でお会いしましょう!
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